研究講座とイベント

  • 2014/05/14
  • 月例研究会
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第217回 月例研究会のご案内 【終了しました】

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「TPP問題と競争政策 ~予想される日本企業法務への影響~」
ジョーンズ・デイ法律事務所 弁護士 佐野 忠克

1994年にウルグアイラウンドはGATTの中に農業を組み込んだマーケットアクセス体制(新GATT)を作るとともにサービス分野にも市場経済原則を取り込んだ協定(GATS)を作り、GATT体制から新たなWTO体制へと大きく前進した。そして、2001年にはそれをより深化させるべく、Doha Roundという包括交渉を立ち上げた。しかし、過去のラウンド交渉とは違うルールの分野を重視する交渉は、経済発展段階の違う参加国の利害がすれ違い、難行して、今に至っても部分合意しかできていない。

21世紀にはいり、一層の市場経済体制の強化、開放化を求める先進国は、それに同調する国々との限定的なメンバー間でより高度な協定を目指した。先行していたEUやNAFTAに続いて、主に先進国の間で、GATT24条に基づく、自由貿易協定(地域協定)を締結する動きが活発化する。日本ではこのような協定を単なる自由貿易協定ではなく、物流のみならず、人の移動、知的財産権の保護、投資、競争政策など様々な協力や幅広い分野での連携で、両国または地域間での親密な関係強化を目指す協定を経済連携協定(EPA)と呼んで推進をしてきた。

多くの二国間協定が出来上がってくると次第に同じような協定を相互に結ぶ国々の間で地域協定を結ぼうとする動きがつよくなった。そのひとつがTPPという形で進められてきた。他にもRCEP等がある。
日本、米国、EUといったWTO体制の最重要メンバーは従来WTOの枠組みを推し進めることによりGlobalなルール作りにまい進してきたが、前述したとおり、Doha Roundの行き詰まりの中で、方向転換を図っており、EUは、米国との間では、TTIP、日本との間では日EU EPAを目指して交渉をしており、米国と日本の間は、二国間のEPAではなく、TPPという舞台で交渉をしている。

これらの交渉は、すでにウルグアイラウンドで関税が低くなっているところから、企業活動のルールの方にその重きが置かれている。残念ながら、日本の報道は、農業貿易こそがTPPの根幹だと言わんばかりの報道をしているが、そればかりではない。
貿易の自由化も市場経済のルールの設定もより競争的な経済環境を作ることを目的とするものであり、市場経済の推進こそが成長の源であるとの確信の下で薦められている。
そこで、象徴的な貿易交渉の行方については、今後の推移を見るとして、20分野にも及ぶルールの分野の進展がいかに企業活動に影響を与えるかを競争政策の観点から分析する。

 

東アジア競争法における独占禁止法上の諸問題」

ジョーンズ・デイ法律事務所 弁護士 宮川 裕光


1990年代後半以降、米国による国際カルテルの積極的な摘発が行われており、2000年代半ばからは欧州委員会による執行も大幅に増加している。また、最近では、新興国を含む世界中の多くの国で競争法の制定と執行強化に向けた動きが顕著であり、二国間協定及び国際競争ネットワーク(ICN)のような国際的な枠組みを通じた競争法の執行と競争政策に関する共通認識の形成、効果的な法執行の推進の努力が行われている。

東アジアにおいては、1980年に韓国、1991年に台湾、1999年にタイ及びインドネシア、2004年にベトナム及びシンガポール、2007年に中国、そして、2010年にマレーシアでそれぞれ競争法が制定されている。このうち、中国においては、2008年8月の施行の後、主に企業結合の分野において法執行が行われていたが、昨年1月、初めての国際カルテルの摘発が公表された。その後、再販売価格維持の問題等、企業結合以外の分野における本格的な法執行が開始されている。また、韓国においては、従前から厳格なカルテル行為等の摘発が行われている他、台湾及びインドネシアにおいても、日本企業に対する法執行の事例が報告されており、いずれの国においても競争法の執行が強化される傾向に変わりはない。

こうした状況の中で、グローバルに活動する各企業としては、東アジア諸国における競争法の規制内容及び競争政策と法執行の動向を十分に理解することが必要不可欠であり、最近の事案を含めて報告する。

開催日:平成26年5月14日(水)13:30~15:45
テーマ:『TPP問題と競争政策~予想される日本企業法務への影響』
『東アジア競争法における独占禁止法上の諸問題』
講 師:ジョーンズ・デイ法律事務所 弁護士 佐野忠克氏
ジョーンズ・デイ法律事務所 弁護士 宮川裕光氏
会 場:航空会館 B-101会議室

問い合わせ先

競争法研究協会 事務局
〒107-0052 港区赤坂2-16-21-204
TEL. 03-3585-7935  FAX. 03-3585-7955

 

 

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