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「公正取引委員会の意見聴取に関する規制(案)に対する意見募集」について、会長・伊従 寛が意見書を提出しました

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公正取引委員会の意見聴取に関する規則(案)についての意見
2014年10月31日
競争法研究協会
会長 伊従  寛


 貴委員会が平成26年10月2日に公表された「公正取引委員会の意見聴取に関する規則」(案)に関する意見募集について下記のように意見を提出いたしますので、ご検討ください。
                                       記
Ⅰ 意見の基礎となる考え方
  本意見の基礎となる考え方として以下の諸点があり、この点をⅠで明らかにした後、 
 Ⅱ及びⅢにおいて意見を述べることとします。

1.公正取引委員会は、準司法的な独立行政委員会であり、準司法的な事前聴聞手続を採ってきたこと
公正取引員会(公取委)は、「準司法的な合議制の独立行政委員会」として設立され、その正式処分は準司法的な事前聴聞手続により行われるものであり、改正法においてもこの考えは変わっていないこと。このことは次の諸点から明らかであると考えます。

(1) 独占禁止法の起草委員会(1946~47年)の委員長をしていた橋本龍吾(内閣審議室員・経済安定本部第一部副部長)の「独占禁止法と我が国経済」(日本経済新聞社、1947年:161頁)では、公取委は「準裁判所的性格を持つ合議体の独立行政官庁」とし(166頁)、「この法律の対象をなすものは、あくまでも私人の経済活動であり、経済面における私人相互間の法律関係を規整の対象とするものであるが、民事の領域に密着し、これと不可分の浸透関係にあり、いわば民事的行政事件ともいうべき性質のものであるから、この法律の運用機関としては、事件の直接処理については行政官庁をしてこれに当らせ、裁判所を第二次的な処理機関として行政官庁の処分に対して監査的機能を発揮させることが適当である。ただ事件の民事的事件の性質から言って、当該行政機関には裁判所的性格を有せしめ、司法的事務に準じて準争訟手続に従い事件を処理させることが妥当である」とし(162頁)、上記法律条文を解説している(同書162頁)、さらに上記橋本解説書は、この実質的な理由として、「この法律の運用に当る機関は公正取引委員会と裁判所であるが、我々は、この二つの機関がその具体的な活動を通じて、この法律の抽象的で一般的な規定に血肉を与え、高い識見に裏打ちされた立派な公権的解釈を示され、妥当な判例法をうち建て、この法律制度の趣旨をみごとに実現されることを希望してやまない。」と述べており(162頁)、立法段階の考え方が明らかにされていること。
 また、同じく起草委員会委員をしていた石井良三(司法省民事局第1課長)の独占禁止法(海口書店、昭和22年)は、「本法の対象をなすものは,複雑多様な而も常に生成発展してやまない広汎な経済活動一般であるために、その規定は著しく抽象的である。この抽象的な法規を正しく運用し、個々の具体的な事件に本法の規定を適用して、これを具体的に実現し、本法の実効性を確保してゆくことは、容易なことではない。而して本法の運用に当たる機関は、公正取引委員会と裁判所であるが、我々は、この二つの機関がその具体的な活動を通じて、本法の抽象的にして一般的な規定に健やかな血肉を与え、高い識見に裏打ちされた立派な公権的解釈が示され、正しい判例法をうち建てて、本法制定の趣旨を見事に実現されんことを希望して止まない。」とし(319頁)、「本法の運用機関としては、事件の直接処理には行政官庁をしてこれに当たらせ、裁判所を第二次的な処理機関として行政官庁の処分に対して監査的な機能を発揮させることが適当である。ただ事件の民事事件的性質からいっても、常設行政機関には裁判所的性格を有せしめ、司法事務に準じて、準争訟手続に従い、事件を処理させることが妥当であるといわなければならない。」(320~321頁)と述べていること。
以上の法律起草委員会委員の著書から、独占禁止法の立法当事者が、公取委を準司法的な独立行政委員会として設立し、その行政処分の手続は事件が民事事件的性格をもつことから準司法的な手続により処理することとしていたことが明らかであること。

(2) 独占禁止法制定の際に、同法は米国独占禁止法を参考とし、その執行機関である公取委は米国連邦取引委員会(FTC)の執行手続をモデルとして設立されたが(橋本前掲書98頁、公取委独占禁止政策五十年史4頁・33頁、今村前掲書235頁、根岸哲編・注釈独占禁止法(有斐閣・2009年・603頁以下[担当・平林英勝])等)。FTCは準司法的な独立行政委員会であり、その執行手続は米国においても最も典型的な準司法的な執行手続であって、設立当初から経済実態に即して「競争制限効果」を証拠により実証的に認定して規制することを基礎とする準司法的な事前聴聞手続を採用してきていること、米国においては準司法的な独立行政員会はその処分手続が準司法的な事前聴聞手続によって行われることを意味し、準司法的な独立行政委員会制度と準司法的な処分手続(事前聴聞手続)は表裏一体の関係にあると考えられていること、またそもそも我が国においても、公取委が準司法的な独立行政員会といわれるのは、公取委の行政処分の手続が裁判所の手続に準ずる手続によって行われ、その判断内容(結論・行政処分)が証拠による実証的な事実認定に基づいて行われることを意味すること。

(3) 制定された独占禁止法は、「公取委は内閣総理大臣の所轄に属する」(27条)、「公取委の委員長委員及び委員は独立してその職権を行う」(28条)、「公取は委員長及び委員4人を以て、これを組織する」(29条)、「委員長及び委員は、左の各号のいずれかに該当する場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない」(31条)と規定し、また、独占禁止法違反に対する排除措置は裁判手続に準じた審判手続により行うこととし(第8章第2節)、審判手続を経た「審決においては、被審人が争わない事実及び公知の事実を除き、審判手続において取り調べた証拠によって事実を認定しなければならない」と規定しており(平成17年改正前の54条の3)、公取委が準司法的な事前聴聞手続を採る独立行政委員会として設立されたことを示している。

(4) 今村成和教授は、「公正取引委員会は独占禁止法の目的達成のためにおかれた国の行政委員会であり、内閣総理大臣の所轄に属する。国家行政組織法にいう外局の一つであるが、委員会構成員に職権行使の独立性が認められことにより、合議体としての委員会の意思決定は、上級機関の悪しき監督を受けることなく、独立に行われうることになっている。公正取引の活動が活発となるにつれ、職権行使の独立性を認めることを違憲とし、あるいは立法政策上適当でないとする説が現れてくることがあるが、正当ではない。」とし(独占禁止法(新版)有斐閣、昭和53年、235頁)、また「独占禁止法違反の行為があるときは、公正取引委員会は、同法八章二節に定める手続に従って、その排除措置を命ずることができる。・・・この場合における公正取引委員会の命令は、わが国に通常の行政作用に見られる行政専断主義によることなく、裁判手続に似た事前手続を構成し、それによって処分の構成と関係者の利益保護を図ろうとするもので、ここにこの手続が準司法手続と呼ばれるゆえんがある。しかして、この目的を達成するために定められた公正取引委員会の手続は、審査、審判および審決という、三つの部分に分かつことができる.」と述べて(242頁)、法制定後30年以上を経過した1978年に公取委を準司法的な行政委員会と解されていたこと。

(5) 独占禁止法は、2005年の法執行力の強化を目的として、課徴金率の引上げ・リニエンシ―制度の導入等とともに、事前審判手続を事後審判手続に変更したが、この改正を審議した独占禁止法研究会(公取委の諮問機関で学識経験者で構成)はこの手続変更について僅か2回の審議で答申が決定され、その際に事前審判手続を事後審判手続に変更しても準司法的性格は変わらないとの理由によっていたこと(研究会のこの答申は2003年10月に行われ、改正案要綱は同年12月に公表され、改正法案は2004年10月に国会に提出されている)。

(6) 2005年改正法の審判手続の変更等については国会審議において問題があるとして、改正法附則13条は、改正法の見直しを政府に求め、これに基づく内閣府独占禁止法基本問題懇談会(座長・塩野宏東大名誉教授:湯指揮者20名で構成)は2年間に35回の会合を開き、海外のこの制度に関する情報も分析し、審判手続について事前審査型審判方式と事後不服型審判方式の比較検討を詳細に行った後、2007年6月に最終報告書を公表したが、その報告書では事後審査型審判方式には手続の弊害除去に一定の効果があったが、「行政過程において準司法的手続を採用して被処分者に十分主張・立証の機会を与えることにより適正手続を保障するとともに、紛争の専門的早期的解決を図るものであるあることから、一定の条件が整った段階で、事前審査型審判方式を改めて採用することが適当である」との提言が行われたこと。ただし、公取委は同年10月にこの提言を理由を示すことなく事実上拒否する「独占禁止法の改正等の基本的な考え方」と題する文書を公表した。

(7) 公取委は、2009年に一部産業団体から、独占禁止法の事後審判制度の廃止等の要請を受け、2010年3月に事後審判制度を廃止し、行政処分前の現行法の関係事業者に対する「意見陳述の機会を与える措置」を「意見聴取手続」に変更する法案をまとめ、同法案は2010年3月に国会に提出されたが、この法案に対しては、50余名の独占禁止法学者、全国消費者団体連絡会等が、「改正法案は内閣府独占禁止法基本問題懇談会の提言に反し、独占禁止法を弱体化するもの」として反対声明を公表し、同改正案は提案理由の説明も行われないまま、2012年11月衆議院解散により廃案となったこと。

(8) 2013年5月に2010年の改正法案とほぼ同内容の独占禁止法改正案が国会に提出され、同法案については同年11月20日に衆議院経済産業委員会、同年12月66日に参議院経済産業委員会で提案理由の説明と法案審議が行われたが、その際に政府側答弁では次の点が明らかにされていること。
① 今回の改正における審判手続の廃止の理由は、「(従来の審判について)先に判断した者と同じ者、まさしく検察官と裁判官が同じになるという外観上の不公正さが残るというという(産業界からの)指摘があった」ため、その産業界の懸念を払底するために廃止することとしたこと(平成25年11月20日衆院経済産業委員会議事録3頁、7頁、8頁、9頁、11頁)、
② この審判手続について、「公正取引委員会としては従来から公正中立的な運営に努めている」として従来の審判手続を肯定していること(前記議事録7頁、9頁)、
③ 法案の「意見聴取手続」については、事後審判制度が廃止され排除措置命令等の行政処分が最終判断となるので、「処分を行う際の手続をしっかりとしていく、丁寧な手続をし、かつ透明性を確保しながらデュープロセスをさらにしっかり踏んでいくために、手続管理官を設けて手続の充実を図る」ものであること(衆院経済産業委員会平成25年11月20日議事録5頁)、「事案をきちっと、いわば訴訟的な手続、対審構造的な手続で、証拠に基づいて見直していって、行政処分の適切さを判断していくということは、公正取引委員会としてはきちっと適正にやってきた」こと(同7頁)、「意見聴取手続は、・・・適正な手続を確保するという観点から、処分前に相手方事業者の主張をいっそう良く聞いたうえで適切に排除措置命令を行うため、新たな処分前手続として整備しようとするもの」と説明されていること(同13頁)、

(9)国会は以上の政府側答弁を前提に改正法案を可決し、付帯決議では「意見聴取手続を主宰することとなるいわゆる手続管理官については、手続の透明性、信頼性を確保する観点から、その権限・義務を明確化するとともに、その指定に当たっては中立性を確保するよう努めること「(付帯決議3項)が付されているが、このことは意見聴取手続が、従来と同様に、準司法的な事前聴聞手続であることを明らかにしているとみられること。


2.米欧における独占禁止法執行手続の基本構造とその考え方
(1)米国
   1890年に制定されたシャーマン法(独占禁止法)は、17世紀に英国から継受したコモンローの商事不法行為としての独占行為・競争制限行為を違法とする判例法について被害者に代わって司法省がそれを裁判所に訴追して是正措置等を採ることとした法律であり、したがってシャーマン法の規制規定は極めて抽象的であり、同法の規制規定は1条の独占行為(monopolization)と2条の取引制限行為(restraint of trade)だけで、その規定内容は抽象的であり、具体的な規制は特定事件についての裁判所の判決で明らかになる典型的な判例法である。1914年に独占禁止法の事件を経済実態に即して迅速に排除措置が採れるように合議制の行政委員会として、司法省反たらすと局とともに、連邦取引員会(FTC)を設立し、規制規定は同法5条の「不公正な取引方法」であり、これにはコモンロー及び制定法で違法とされる独占行為・競争制限行為がすべて含まれることとしていたが、違反事件の規制については、憲法の「デュープロセス」の原則に従い、裁判所の場合と同様に証拠により違反事実を裁判手続に準じた準司法的な事前聴聞手続を採ることとし、審査官の収集した資料は営業秘密を除き全面的に関係事業者に開示することとしていた。FTCは、法施行手続(違反事件処理手続)については詳細な手続規則(16 Code of Federal Regulations: 16 C.F.R)を設定し公表している。ここではFTCの法執行手続が記載され、関係事業者の各種弁護権が規定されているほか、関係事業者が被疑事項に関する審査が正しく理解されるように審査職員との会合が含まれている(規則2.4条「審査方針」)。また、さらに詳細な手続マニュアルも公表されている。 司法省・FTCは独占禁止法違反になるとみられる行為について類型的にガイドラインを設定する場合があるが、それは基本的に過去の判例法に基づくものであり、法運用の参考のためのものであり、それ自体に法令としての効果はない。

(2)EU
   EUは1957年に加盟国間に一つの自由競争市場を創設し、それを維持するために、1957年の欧州共同体条約の中に、米国独占禁止法を参考にして独占禁止条項を規定していたが、この条項も2か条(現在の条約101条の競争制限協定の規制規定と同102条の市場支配的地位の濫用行為の規制規定)であり、いずれも抽象的な規制規定であって、具体的な規制内容は裁判所の判例により明確になる。この条約の独占禁止条項の執行規定は1962年の理事会規則17号で設定されたが、そこでは違反事件は事前聴聞手続を経て処分が行われるとし、これは法執行手続の大原則であるとされていた。その後1980年代にこの原則の補強措置(セーフガード)として欧州人権条約に基づき、関係事業者の弁護士顧客秘匿特権などの関係人の弁護権が補強されてきた。1996年のICI(英国)とSolvay(ベルギー)の間のソーダ灰の販売協定事件について欧州委員会は独占禁止法違反として処分し総額約7000万ユーロの行政制裁金を科した事件について、欧州第一次裁判所は欧州委員会が審査官資料を関係企業に全面的に開示しなかったことは、現在の複雑な経済事情の下で関係資料の評価は規制機関側と関係事業者側では異なる場合があり、この資料を全面的に開示して相手側事業者の意見と証拠の選択が審議されなければ適正な証拠による事実認定が行えないので、審査官資料の全面的開示は「武器平等の原則」(equality of arms)を侵害し欧州基本的人権条約6条の「適正な裁判を受ける権利」規定に違反して無効であり、委員会は独占禁止法の事件に関して審査官資料の全面的開示をしなければならないと判決した。EUは、競争法執行手続に関する2003年理事会規則1号27条2項及び2004年委員会規則15条・16条で審査官資料の全面的な開示について明確な規定を設定している。EUの競争法執行手続については、上記法律規定及び後述する新しい考え方を含めて、2011年10月に法執行手続に関する「ベストプラクティス告示」が設定・公表されている。なお、EUにおいても、特定行為類型についてガイドラインが設定されているが、法的規制は裁判所の判例により行われ、EU競争法は判例法であることが明確に確認されて、ガイドラインは裁判所を全く拘束するものでないと解説されている(2010年流通ガイドライン前文)。独占禁止法が判例法であるとする場合には、その執行手続は準司法的な事前聴聞手続を採ることとなり、それは経済の複雑化にしたがってその公正性と透明性の必要性はますます強くなる傾向がある。

(3)最近の新しい変化(手続当事者間の対話の重視)
EUでは、2008年に、米国のIntelがそのCPUを販売する際に秘密リベートを用いて競争事業者を排除したことが競争法の優越的地位の濫用行為(単独企業行為[single-firm conduct]:条約102条)として、欧州委員会が制裁金10億ユーロ超をIntelに科した事件を契機に、この事件における濫用行為としての競争制限効果(anticompetitive effects)の立証が不十分であり、同法の執行手続が不公正であるとの批判が欧米で強くなり、欧州のみならず、米国においても独占禁止法の執行手続の公正性について活発な議論が行われた。

① 米国: 米国においては議会下院の司法委員会においても非公式に議論が行われ、下院議員約30名が署名入りの書簡を司法省反トラスト局長及びFTC委員長に送り、画期的な技術開発をして世界の消費者の利益を増進しているIntel, Microsoft, IBMなどの米国企業が、EUにおいて十分にその競争制限的効果を認定することなく独占禁止法違反で高額な制裁金を受けていることは手続の公正性の観点から極めて問題であり、国際的に独占禁止政策を適正に推進するために問題があるので善処するよう要望した。米国独占禁止法では、単独企業行為は「合理の原則」により審議され、その競争制限的効果(弊害)については証拠による認定は極めて慎重であり、排除措置だけが採られるだけであって、価格協定の場合のように違法行為要件が明確ではないので罰則の適用はなく刑事制裁の対象にはなっていない。
このような状況の下で、米国司法省Barney反トラスト局長は、国際法曹協会(IBA)において2009年9月に「手続の公正性」と題して講演を行った、そこでは米国独占禁止法では憲法の「デュープロセスの原則」に基づいて行政処分前に相手方の意見を十分聴取することにして前聴聞手続を大原則として採っているが、最近の複雑な経済状況の下ではこの手続は単に関係事業者の防御権の尊重のために必要なのではなく、独占禁止法が経済実態に即して適切に運用されるためには相手が関係事業者によく違反被疑事件の内容を説明し相手方の経済実態から見た実情を把握して法執行をしなければ適正な独占禁止法の執行はできない状況になっているので、独占禁止法の執行においては施行機関は相手方事業者との「対話と討議」(dialogue and discussions)を通して協調的に行い、法執行機関の強制的権限の行使は抑制している。このような法執行は相手方事業者を含めて手続についての信頼感がもたれるが、独禁法の執行においては執行手続の公正性と透明性についての一般の信頼が必要不可欠であり、この信頼がなければ独占禁止法の実体規制がいかに優れていても一般から評価されることはなく、独占禁止法執行手続の公正性と透明性の確保は同法の運用において極めて重要である、としている。この講演は大きな影響を与えた。

② EU:  この間EUは、このEU競争法の執行に関する批判に対処して、2009年12月に競争総局の審査担当官に対する内部管理を厳格にする措置を採った後、2011年10月に競争法の執行手続に関する「ベストプラクティス告示」を設定して、従来の法令による関係事業者の各種防御権のほか、新たに執行手続の審査段階における被疑事項に関する情報提供に関する進捗会合(告示60~66条)、申告者を含む三者会合(告示67~69条)、競争総局の幹部(総局長・競争担当委員を含む)との意見交換会合(告示70条)などを規定して保障し、また事前聴聞手続等における聴聞官の独立権限を強化する措置を採ることなどの措置を採っている。この告示の設定の結果、EU競争法の執行手続は米国FTCの執行手続に類似するものとなり、この措置により、情報技術革新・経済のグローバル化の急激な進展等による新しい経済情況の発展の下における「独占禁止法執行手続に関する国際標準」が成立したものと考えられ、この事実は尊重される必要があろう。

③ OECD競争政策委員会: OECDの競争政策委員会第三部会(委員長・米国反トラスト局長)では、2009年から4年間独占禁止法施行手続における「公正性と透明性」について審議していたが、OECDは2012年4月に最終報告書を公表し、独占禁止法の執行手続における「公正性と透明性」の確保は、単に関係事業者の防御権を保護するためだけではなく、独占禁止法の執行が適正に行われ一般の支持を受けるために重要であり加盟国はこの「公正性と透明性」を重視することを勧告している。
ここでいう手続の「公正性」(fairness)とは、審査・審理手続において執行機関側が法律に基づき権力的な一方的権限行使を抑制して、デュープロセスの原則に従って相手方事業者に対し十分に被疑事項を説明して相手方の主張を良く聞くことであり、また「透明性」(transparency)とは適用法条・手続等について一般人に分かりやすく丁寧に解説・実施し一般に信頼されるようにすることであり、この「公正性」と「透明性」は、新しい複雑な経済情勢の下で、相手方事業者の防御権の保護のみならず、複雑な経済情勢の下で対立と協調の中でそれぞれ異なった価値判断により活動している事業者の活動・競争の現実を適切に把握して法執行を適正に行うために必要不可欠であると考えられている。
  なお、現在100か国以上で構成される国際競争法ネットワーク(ICN)でも、独占禁止法の執行手続における公正性と透明性について検討が行われているが、その幹事役は米国FTCとEU競争総局である。

3.独占禁止法の行政処分と判例法的性格と一般行政処分の差異

(1)独占禁止法の行政処分: 米国及びEUでは、独占禁止法の処分は判例法的な性格の処分であることは明確に述べられている。我が国の場合、橋本前掲書が述べているように、独占禁止法の規制規定は極めて抽象的であり、具体的な規制内容は判例法により明確化される建前になっているのであるが(同書162頁)、この認識が十分に普及しているとは言い難い。我が国の多くの行政処分は、産業分野別の所管官庁が事業法その他の法令に基づき又は特定の法律によらず一定の政策に基づいて行政処分が行われ、その行政処分には所管官庁のかなり広い裁量権が一般に認められており、これが三権分立の原則の下で司法審査も抑制されているのが実情である。独占禁止法の場合にはこのような行政機関の裁量はないので、準司法的な証拠による実証的な事実認定に基づく厳正な検証が必要とされている。経済実態は、技術革新・経済のグローバル化等により時々刻々変化しており、この流動的な経済関係の規制のためには、判例法的な実証的規制が法典主義に基づく概念的解釈による規制より優れていることは明らかであるが、現実にはこの認識は必ずしも理解されていないのである。米国及びEUの独占規制法の適用範囲の最近の拡大傾向を見てみれば、我が国においても情勢が同様に変わることは明らかであり、判例法的な準司法的執行手続の必要性は高まると考えられる。

(2)行政手続法との関係: 今回の法改正では意見聴取手続の規定は行政手続法をかなり参考にしたと考えられるが、独占禁止法の行政処分につては、他の一般の行政処分と異なる性格から極めて整備された事前聴聞手続をすでに規定していたので、行政手続法の適用除外を定めていたと考えられるので、この点は十分に考慮し一般の行政処分の最低基準を規定した行政手続法の規定を参考にすることは十分慎重でなければならないだろう。独占禁止法の行政処分は、その内容から言って行政手続法13条1項1号(聴聞)に該当し、同法第2節「聴聞」の適用を受け、最低限その条件を充足させ、「行政運営における公正の確保と透明性の向上を図る」(同法1条)ことが要請されており、独占禁止法の民事的性格を考えればその執行手続は十分に準司法的性格にすることが必要であると考えられる。

(3)複眼的視点からの処分手続の必要性: 独占禁止法の規制対象が複雑な経済実態の下で活動する事業者の行動であることから、同法の執行手続は準司法的な慎重な方法により把握する必要があることは、すでに法制定時の石井前掲書が述べているところであるが(同書319頁)、2008年からの米欧において独占禁止法の執行手続の「公正性と透明性」が強く求められたのも同法の規制対象の経済実態が情報技術の発展・経済のグローバル化の進展等により著しく複雑多様化し、規制機関の審査・審理方法が複眼的な視点からの慎重な実態把握が必要になってきた事情が存在する。執行手続の公正性は、直接的には相手方事業者の防御権の保護であるが、現在の複雑で変動する経済情勢の下における事業者の競争の複雑な実態を把握するためには、複眼的な視点から実態を把握する必要性が強く、執行機関は相手方事業者の率直な意見を聴取しつつ手続当事者の「対話と討議」によって審査・審理を行い、一方的な審査・審理を抑制する必要性が高まってきている。このような規制は、1960年代の合併規制が市場シェアの画一的な基準で規制する方法が1980年代以降の経済実態に即応した規制に変化したことに端的に現れているが、現在、原則違法として規制されている価格協定についても、原料価格の高騰により関係事業者が値上げの必要性を共通に考える場合であっても、値上げ幅については参加者はそれぞれの設備投資の状況等の差異により千差万別判断があり(設備の近代化投資の終わった事業者は値上げ幅を低くして設備稼働率を高めようとし、既存の設備とシェアを大きく持っている事業者は大幅値上げを求める傾向がある)、価格協定の水準については意見が一致していない場合が多く、それ故にこそリニエンシ-制度が用いられる側面があることを看過してはならず、その経済実態は極めて複雑である。これらの事情を考慮すれば、独占禁止法の処分手続については準司法的な証拠による事実認定の重要性が理解できるのであって、行政裁量の範囲の多い一般の行政処分の手続と同等に検討することは適当ではないであろう。


4.独占禁止法76条の規則制定権
今回の意見聴取手続規則(案)は、独占禁止法76条の規則制定権に基づいて行われているが、同規定が参考にした米国の独立行政委員会の規則制定権は最高裁の規則制定権と同様に、同独立行政委員会がデユープロセスの原則に従って自主的に自己の執行手続を設定できることとしているので、我が国においても同様に解すれば、少なくとも法律の規定に抵触しない範囲において、改正法に関して国会審議において政府側が答弁した意見聴取手続の基本的な考え方に基づく規則を自主的に明確に規定することができるはずであり、それが同条2項に言う「適正な手続の確保」に資する所以である。


5.結論
独占禁止法の執行手続については、執行機関が被疑事項について詳しく情報を開示し、関係事業者の意見を処分前に十分に聞いて複雑な経済自体を十分に把握して、執行手続をできるだけ公正・透明にすることが相手方事業者の権利を保護するだけでなく、手続の公正性について一般の信頼を得て、経済実態に即した独占禁止法の最も優れた執行手続であるというのが最近の米国及びEUの考え方であるので、この考え方に基づいて改正法の意見聴取手続の在り方を検討することが重要である。独占禁止法の執行手続においてその執行力を強化するために相手方の意見表明を制限する措置を採るという考え方は、最近の米国及びEUを中心とした国際的な考え方としては全く存在しないというより排除されているので、この点には十分に注意する必要がある。ただし、手続期間が長引くことは事業者の金銭その他の負担が増大するので、この点は考慮する必要がある。


Ⅱ 意見聴取規則(案)の内容に対する意見
1.意見聴取手続の基本原則を規則の冒頭に明確に規定すること(法49条以下)

(1)「意見聴取手続」は、法律49条以下に規定されているが、その基本原則は何も規定されず、原則については本改正法の国会審議において表明された政府答弁があるだけである。本手続の基本原則を規定することが手続を理解する上で最も重要であるので、国会答弁で表明された本手続の基本原則を規則の冒頭において規定する必要がある。この場合、現在、国際的に独占禁止法の執行手続における「公正性と透明性」が議論されているので、この内容のうち重要な点を含めることが望ましい。そして、手続の開始から終結までの一連の流れを簡潔かつ明瞭に規定することが手続を全体として理解するために重要である。なお、法律に規定されている事項についても、この規則で詳しく規定し、本手続の流れが十分理解できるようにして手続の「透明性」を明確にすることが必要であると考えられる。

(2)米国FTCの連邦規制規則16編3部(16 CFR Part 3)は、その標題が「争訟手続(Adjunctive Proceedings)実施規則」であり、この規則は委員会の正式の争訟手続により効率的に実施され、聴聞後に議事録に基づいて決定が行われる旨規定されている(3.12条)。
EU「ベストプラクティス告示」の冒頭において「聴聞を受ける権利」(the right to be heard)と題して(第3.1節)、「聴聞を受ける権利は、EUの基本原則である」ことを明記している(78条)。


2.被疑事項の告知(法50条)
(1)意見聴取手続は、公取委の被疑事項告知(排除措置命令案及び課徴金納付命令案を含む)に対する関係事業者の不服申立により開始されるので、この告知事項は意見聴取手続の中の冒頭において規定する必要がある。告知が審査手続中に行われても、告知とそれに対する不服申立が一連の意見聴取手続の始まりであることに変わりはない。

(2)FTC規則では、聴聞手続の冒頭に被疑事項の告知(complaint)が「手続の開始」として規定され(規則3.11条)、次条で関係人の答弁が規定されている(3.12条)。
EUの告示は、第3.11節「異議告知書」以下で詳しく規定し(81~91条)、委員会が名宛人に対して不利益を与える決定をする前に、関係事業者に事前聴聞を受ける機会を与えるが、それは異議告知書の採択により行う(82条)。異議告知書の主要論点は公表されるが、その場合異議告知書が手続の最終結果を決定したものでないことを明示することとしている(91条)。


3.被疑事項告知に対する諾否の回答
(1)被疑告知に対して名宛人事業者は、諾否を回答することを規定し、名宛人が被疑事項を争う権利があり、否認の場合に意見聴取手続が開始されることを明記する必要がある。応諾の場合には排除措置命令等が出されるが、これについては別途検討し規定を設ける必要がある。

(2)FTC規則では、名宛人の答弁は14日以内に行い(規則3.12条(a))、答弁(answer)では事実に対する諾否を明確にすることとし、争う(contest:objection)場合には争う基礎となる事実を記載することを規定している(同条(b)(1))承認(admit)の場合には被疑事項の事実を認める必要がある(同条(b)(2))。被疑事項に対する関係事業者の諾否は、否認の場合にその時点から聴聞手続が開始されるので、明確に行われる必要がある。そして、争った後の命令(審決)と応諾の場合の同意命令では法律効果が異なっている。
EUの場合、2004年委員会規則774号は、「異議申し立てに対する回答」(reply)と題して、名宛人は被疑事項告知の指摘事実に対する書面による回答について規定している(10条)。回答は、審査官資料の開示の後、すなわち告知後4-週間経過後原則として2か月の期間の猶予が与えられ、さらに延長申請することができる(告示100条)。


4.同意命令手続の問題(法50条)
(1)米国及びEUでは、略式手続として同意命令手続(consent order:commitments:
    settlements)が審査段階(FTC規則2.31条以下:EU告示115~133条)、聴聞段階  
  (FTC規則3.25条:EU告示115~133条)で認められている。同意命令手続はルーズ
   に行われるのではないかとの懸念はあるが実際にはそうではない。米国の場合同意命令手続では、手続当事者が審査官の証拠の実質的評価に基づいて折衝が行われるので、その評価が黒の性格が強ければ、当局側は強い内容の排除措置を請求し、黒の性格が弱ければ逆のことになり、問題は証拠に対する実質的評価の問題であり、それが当事者評価が合意されれば、解決案を協議して作成し、第三者である利害関係者の意見を聞いて最終決定になるので、合理的な行政措置であり、米国及びEUでは大半の事件はこの同意命令手続で解決している。同意手続においては、証拠による事実認定が行われていないので、その命令(決定)は第三者が損害賠償訴訟などで違反事実の証拠として使うことは困難である。

(2)我が国の場合、平成17年改正まで存続していた勧告手続(旧48条)は米国FTCの同意命令手続を参考に作られた手続であり、法運用初期においては審査部において勧告手続に関する排除措置の協議が行われ、審査部長の下で審査聴聞会も設けられて実施されていたが、1960年代頃から価格協定事件が増えたこともあって勧告手続は公取委の一方的な勧告となり手続当事者間の協議・同意の性格は失われていた。しかし、殆どの審査事件はこの勧告審決で処理されており、昭和52年改正により裁量のない課徴金制度が導入されてからは、勧告手続には応諾し、課徴金納付命令を争うという傾向が強くなった。これは、課徴金制度が不当利得の剥奪制度として導入されたにもかかわらず、不当利得と関係なく高額の課徴金の徴収が行われるからであり、この点を改善しなければ(合理的な裁量のある制裁金制度への変更)、十分な同意命令手続は機能しないと考えられる。しかし、本来略式手続としての同意命令制度は導入される必要がある。このことは、前掲橋本解説書が述べるように、本来独占禁止法は民事的な性格のものであり、民事裁判事件では和解はごく平常のことであり、現に民事裁判事件の大半は和解で解決されている。同意命令手続も、被疑事項の告知に対する応諾の決定に関連して検討される必要があると考えられる


5.手続管理官の独立性と中立性の保障の問題(法53条:規則14条・15条)
(1)意見聴取手続が準司法的な事前聴聞手続の中立性と信頼性を確保するために、手続管理官の指定手続と職務遂行の中立性と独立性の保障が必要不可欠である。政府の国会答弁は審判手続について産業界から検事と裁判官を兼ねて不公正であるとの懸念があるためその懸念を払底する必要から審判手続を廃止したとしているが(前掲衆院議経済産業委員会事録3頁、7頁、8頁、9頁、11頁)、改正法においても違反被疑事件の審査は委員会の命令により行われ、被疑事実の告知も委員会の決定により行われているのであるから、違反被疑事実に対する被疑者の主張を審議する手続管理官の指定条件の中立性保障とその職務遂行における委員会からの独立性保障は、手続の公正性と透明性の確保のために必要不可欠であり、このことを明確に保障する規定を置く必要がある。

(2)FTCにおいては準司法的聴聞手続のためには訴追機能と審理判断機能という相矛盾する2つの機能の分離が手続の公正性を担保するため必要不可決との考えから、聴聞官は、行政法判事室(Office of Administrative Law Judges:規則0.14条 )に属する行政法判事であり、FTCから完全に独立しており(5 U.S.C. 554(d):ABA, Antitrust Law  Developments (Seventh) p.683)、聴聞官の事件担当は主席行政法判事により行われ(規則3.42(b)条)、「公正で衡平な」聴聞が義務づけられ(規則3.42(c)条)。聴聞官と審査官との私的接触は禁止されている(規則4.7条)。
EUの場合、「事件当事者が、不利益な影響を受ける最終決定に先立って聴聞を受ける手続上の権利は、EU法の基本的原則である。委員会は、聴聞を受ける権利の有効な行使がその手続において尊重されることを保証することを付託されている。」とした上で(告示78条)、「聴聞官は、競争法手続における手続上の権利とくに聴聞を受ける権利の有効な行使を保障する任務を有する。聴聞官は、その職務を競争総局から完全に独立して行い、競争総局と手続対象者との間の争いを解決する。」と規定されている(告示79条)


6.証拠の閲覧の問題(法52条:規則12条・14条)
(1)審査関係資料の閲覧を検討する場合に、①審査官は公益的見地から法令による強制的権限に基づき又はそれを前提に資料を収集したものであること、②公益的見地から見た場合この資料は経済的に評価が多様であり一義的に評価できない場合が多いこと、③審査官が聴聞手続に提出した資料以外に異なる評価から当該事件の適正な審理のために検討すべき資料はかなりあり、その開示を制限することは関係事業者の防御権を侵害することであり、また適正な事実認定と排除措置命令のために不適正であること、③審査官の収集資料は膨大な数量に上りその必要性を個別に検討した場合にはその検討に多くの時間が必要なこと、④以上の点を考えれば、若干の項目に分けて又は分けないで、情報提供者の秘密事項を除き、一括開示することが適切であると考えられる。そして、そのためには膨大な資料の保管と閲覧のための資料の取扱い方法を予め定めることが必要になると考えられる。事実、米国法及びEU法はこの方法を採っているのである。

(2)FTC規則第3章第3部は、FTCの審査関係資料(証拠)の開示について詳細な規定を行っている(3.31~3.40条)。最初の強制的資料開示は、手続対象者が聴聞手続の冒頭において被疑事項告知書に回答してから5日以内に行われる必要があり(規則3.31(b)条)、それ以外の場合には手続の終結まで回数に制限なく資料開示を受けることができ、その対象資料はごく一部の例外を除き関係資料のすべてである(規則3.31(a)条)。開示の対象とならない例外的資料は営業秘密その他極めて限定された資料である(規則3.31(g)・(h)条)。なお、審査官が作成し又は収集した資料は資料保管部(custodians)に保管されるが(規則2.16条)、資料が膨大になるので手続当事者の資料閲覧のためには特別の資料保管部の設置されている。開示資料のリストは手続名宛人には提示される(FTC Manual 13.6.3)。
   EUでは以前では欧州委員会が聴聞手続において必要と認めた場合には開示するとの方針を採っていたが、1969年のソーダ灰カルテル事件(2社間の価格協定事件)に関し1996年の第1次裁判所判決が、複雑な経済実態の下で当事者の行為・関係資料に関する評価は多種多様であり、これを規制機関側の一方的な判断により開示しないことは、「武器平等の原則」(equality of arms)に反し,EU基本条約6条(公正な審理を受ける権利)に反して無効であり、委員会は資料の全面的な開示を認める規則を制定することが命じられた(その後司法裁判所判決でも確認)。この結果、2003年の理事会規則1号27条1項は、「関係当事者の防御権は聴聞手続において十分に保護される。関係当事者は、事業上の秘密の保護を条件に、委員会の資料を閲覧する(access)ことができる。」と規定し、2004年の委員会規則773号は第4章「資料の閲覧及び秘密情報の取扱い」(15条・16条)で詳しくおの資料開示を規定している。資料は告知の名宛人に開示しなければならず(委員会規則15条1項)、閲覧権(right to access)は営業秘密(business secrets)及び欧州委員会と加盟国当局との間の文書を除外したすべての資料であり(同2項・3項)、個々で閲覧の対象になった資料はこの行政手続及び司法手続以外に使用されてはならない(同4項)。閲覧される情報は営業秘密は除外され(16条1項)、競争法に基づきに委員会に情報を提出した者は、秘密資料と公開できる資料を明確に区別した資料を作成しなければならない(同2項~4項)。また、2005年の委員会通達(2005/C 325/07)は、この閲覧権は被疑事項告知以前には適用されず(26項)、閲覧方法として、①CD-ROMなど電磁的方法、②印刷物のメール、又は③特定の場所の閲覧の方法を委員会が選択するとし(44項)、委員会は閲覧を容易にするために全閲覧資料の目録の提供を受けることができるとしている(45項)。告示92条は上記法令による資料閲覧権を確認し、告示93条は聴聞官が情報提供者と競争総局との間の協議(紛争)に関する決定を行うこととし、告示94条は情報提供者が秘密部分を特定することを規定している。告示95~98条は、主として計量経済分析に用いられる資料の「データルーム手続」について規定している。


7.秘密保護の問題(52条)
(1)独占禁止法38条により、委員長・委員・職員の意見公表を禁止し、同39条で秘密保持義務を規定しこの規定に対しては93条で罰則が規定されている。独占禁止法が競争を規律する基本法であるからこのことは当然である。自由経済における事業者の事業活動及び競争は秘密の維持を基盤に行われているので秘密の保護は重要である。とくに意見聴取手続における資料開示は事実認定が証拠によってのみ行われるため名宛人に対してのみ開示され、その資料は公正取引委員会及び裁判所が独占禁止法違反の行政事件の審理のためにのみ使用されることを目的としており、その資料がこの目的の範囲内で許容される。米国法及びEU法のこのために詳細な秘密保護条項を置いている。

(2)FTC法21(b)条は、FTCが法律の違反事件の審査過程において知りえた情報をすべて秘密として厳重に管理し、それは情報公開法(FOIA:5 U.S.C. 552条)の適用除外となっており、FTCの手続で取得された文書のほかFTCの内部資料及び審査に関する情報を秘密対象としている(規則4.10条及び4.11条)。資料開示手続においても、事業者の営業秘密に関しては厳しく秘密の厳守が求められ詳細に規定されているほか、開示は手続の名宛人に対してその事件の行政的手続及び司法的手続のために開示されているので、それ以外の目的のためには開示が原則的に禁止されている。裁判所も民事事件に関しては当事者主義の原則から、原則として行政官庁が法令により収集した資料を資料開示(discovery)の対象にはしていない。
      EUの告示においても秘密管理については米国の場合とほぼ同様である。情報開示に関しては告示92~98条に営業秘密の保護について詳細に規定している。違反事件の調査開始についてEU告示は、「委員会は手続の開始を公表できる」と規定しているが、「委員会の方針はその公開が審査を阻害することがない範囲で競争総局のウエッブサイトに公表して記者会見を行うことができる」とし(20条)、「審査対象当事者は、口頭又は書面で、手続の開始が公表される十分前に、手続の開始が告知される。それによって彼らは(とくに株主、金融機関及び報道機関との関係で)彼らの側から情報発信を行うことができる」と規定し(21条)、また、「手続の開始は、決して違反行為の存在に予断を与えるものではないことが強調されなければならない。手続の開始は、委員会がさらにその事件を追及するつもりであることを示すだけである。この重要な説明は、当該事件の開始に関する国民への情報伝達におけると同様に、手続開始決定(当事者への通知)の中でも述べられる」(22条)。この措置は我が国にとっても適切な措置ではないかと思われる。


8.手続の公開・議事録の問題(法54条4項:法旧53条)
(1)手続の公開
   改正法54条は、「意見聴取の期日における意見聴取は、公開しない」と規定している。独占禁止法制定以来現行の事後審判制度に至るまで審判は公開され(現行法61条:旧法53条1項)、それは裁判手続が公開されているのと同様に、準司法手続の公正性と透明性を確保するものであったからである。そして、審判手続の公開は、必要な場合には審判手続を非公開にすることもできたため、原則公開によって現在までに弊害があったということは指摘されていない。また、審判については議事録の作成が規定されていた(審査審判規則70条・旧審査審判規則65条:旧53条2項)。この法案の意見聴取手続がデュープロセスの原則に基づく準司法的手続であるとの国会における政府答弁との整合性についても疑問を残しているが、そもそも2013年(平成25年)法案が複雑な作成経緯を持つ2010年(平成22年)法案に基づいたところから生じた問題と考えられる。意見聴取手続にはその性格からいって、利害関係人や関係行政庁等が手続参加する場合もありうるので(原始制定法から現行法まではこの手続参加を規定している)、手続の公開は必要である。規則において、利害関係人・関係官庁・報道関係者等は公正取引委員会の承認を受けて手続を傍聴できるという規定を置くことが考えられる。現実には、例えば専門雑誌「公正取引情報」などにより、関係事業者・関係学者等は審判関係の情報を取得し大きな利益を得てきたのである。手続の公開性を否定することは、手続の「公正性と透明性」に対する侵害であり、また公取委に対する一般の信頼を毀損することになると考えられる。

(2)議事録の問題
    今回の改正法及び規則案では、意見聴取手続の議事録作成の規定が廃止されている(現行審判規則70条:旧法53条2項)。米国FTCの審決については、裁判所に司法審査はFTCの審決の事実認定が聴聞手続の議事録に基づいて反対証拠を含む全証拠によって認定されたと認める場合に拘束され(1951年のUniversal Camera Corp. v. NLRB、340 U.S. 474, 488 (1951)など多数の判決)、この議事録は,FTCと裁判所の審理の分担を決める上で重要である(ABA, Antitrust Law Developments (Seventh) p.699)。議事録は公正取引委員会と裁判所の司法審査の在り方を決定する上で重要な機能を持っている。また、手続管理官の意見聴取手続に対する委員会の決定を行う上でもこの議事録に基づいて決定が行われる必要があると考えられ、この議事録の作成は重要である。意見聴取手続の議事録作成は、公正取引委員会が独占禁止法の準司法的な中核的専門行政機関として存続するための必要不可欠のものといえる。
   また、意見聴取調書の閲覧のみを認め、謄写を認めないという取扱いは時代錯誤的であり、改められるべきである。さらに。意見徴収手続野重要性に鑑みれば、訂正等の申立手続を整備することが望ましい。

(3)米国FTCの手続の公開性
   米国FTCでは、聴聞手続は特別の場合を除いて公開が義務付けられ(規則4.41(a)条)、議事録(録音・録画を含む)作成は一種の手続の可視化の方法として規定されている(規則3.44条・4.44条)。聴聞官の審決案も委員会の審決もこの議事録を基礎に行われ(規則3.51条・3.54条)、裁判所の司法審査もこの議事録を中心に行われる。


9.意見聴取報告書の記載事項(法58条:規則22~23条)
(1)手続管理官の審理の結論の問題
改正法は、意見聴取の終結後、手続管理官が当該事件の論点を整理し、この論点整理を記載した報告書を期日調書(58条1項)ととともに、委員会に提出すること(58条4項)、及び当事者にその閲覧機会を与えること(58条5項)を規定している。規則(案)20条4項はこの報告書の記載内容を規定しているが法律以上のことは何も記載していない。この規定では,手続管理官の論点整理が証拠による審議結果の結論を含むか否かが不明確である。
行政手続法の聴聞手続(13条以下)においても、手続主宰者は聴聞調書と報告書を行政庁に提出することが定められ(同24条)、この規定が改正法において参考にされたと考えられるが、行政手続法の聴聞手続主宰者の報告書の記載事項としては、同法の解釈では主宰者の意見(結論)と理由が明記されることになっている(総務庁「聴聞の運用のための具体的措置について」:平成6年4月25日総管第102号:行政管理局長通知の別紙2「聴聞の運用のための具体的措置に関する指針」第10の3)。これは聴聞手続の趣旨から当然のことと言える。一般の行政処分の場合「処分に関する行政庁の裁量が比較的広く、また、処分の原因となる事実の反社会性や処分の名宛人の情状等を個別の事案ごとにどう評価するかといった問題」がありうる(総務庁「行政手続法の施行に当って」:平成6年9月13日総管第211号:総務事務次官通知の十)としているのに対し、独禁法違反事件の事実認定の場合には裁量の範囲は著しく狭く、事実認定を基礎とした排除措置命令に若干の裁量の余地が残されているだけであることを考慮すれば、改正法58条の手続管理官の報告書の論点整理には当然当事者の主張の証拠に基づく論点の整理であり、かつ管理官の事案に関する意見・結論が含まれる必要があるのであって、「手続の透明性と信頼性の確保」の観点からこの点を明記する必要があると考えられる。意見聴取手続では手続管理官の明確な結論が重要であって、結論のない報告書は意味を持っていないと考えられる。現行法においても審判官については審判官の指定に関して1か条があるだけであったが(56条)、審判規則で審判官の審決案についての規定をおき(審判規則73~79条)、審判官の結論とその取扱いを明確にしているのである。審判官が違反事実を証拠により認定できなければ、その結論は違反事実がないことになる。準司法的な「意見聴取手続」では、最終判断・結論の問題は核心的な問題であり、最終判断の明示は「手続の公正性と透明性」の確保の見地から必要不可欠である。

(2)米国FTCの行政法判事(聴聞官)は、「聴聞手続の最後に名宛人からの最終答弁が提出されてから70日以内に審決案(initial decision)を作成し、議事録に基づいて事実認定と法令の適用並びに排除措置を提案しなければならない」と規定されている(規則3.51条)。また、この行政法判事の審決案に対しては関係当事者は審決案の受領後20日以内に委員会に異議申立をする権利があることが規定されている(規則3.52条)。

(3)意見聴取報告書の閲覧のみが認められ、謄写が認められないという取扱いは不可解である。
10.意見聴取報告書と委員会の処分の問題(法59条)
改正法は、委員会は手続管理官の期日調書と報告書の内容を「十分に参酌して」排除措置命令の議決をしなければならないと規定しているが(60条)、この規定は行政手続法26条の規定の「十分に参酌して」を参考にして規定されたと考えられる。この行政手続法の場合の「参酌」については、事実に関する場合には拘束性があり、その他の意見に関してはそれより弱い拘束性と解されている。したがって、上記手続管理官の論点整理の場合と同様の理由で、委員会は手続管理官の報告書の事実認定には拘束され、これを変更する場合には改めて聴聞手続を行うか明確な合理的理由を示して行うべきであると考えられる。従前の審判手続では委員会の審決は証拠による事実認定が行われることが明記され(現行法68条:05年改正前は旧54条の3)、また審決書には少数意見を付記できることが明記されていた(現行法70条の2第2項)。少数意見の付記は判例法の形成には極めて重要なことであり、廃止することは問題である。
FTCの場合には、委員会は、最終審決において聴聞手続の議事録を検討し、提示された問題点を審議して結論を出す必要があるとしている(規則3.54条)。


11.手続の期間の問題
(1)意見聴取手続は行政処分のための事前手続であるから、できるだけ迅速に行われ、関係事業者の負担を軽減することが必要である。このためには、手続規則の中に米国のFTC手続規則のように手続に関して手続当事者が努力することを規定することは一つの方法である。しかし、関係事業者が被疑事項について争う主たる理由は課徴金制度が不合理だからである。課徴金制度は1977年改正で導入されたが、当初の趣旨は価格協定がやり得になり有効な排除措置が刑事罰則の適用も困難なので価格協定により獲得したとみなされる不当利得を一定の推計により剥奪する趣旨で会った。それが次第に高額化し、現実には不当利得との関係は乖離し、他方刑事罰も科されることになり、その根拠及び基準についての合理性がなくなったので一般に理解されず、課徴金に関して争う場合が増えていると考えられる。したがって、手続を争うことを是正するためには課徴金を制裁金として根拠づけその裁量基準を合理的なものにして、納得しやすくすること、及び事業者(会社)に対する課徴金と刑事罰の実質二重制裁措置を止めることが必要不可欠である。1990年以降、不合理な課徴金制度が、欧米の制裁金の高額化を見習って高額化し肥大化したことが課徴金を争う大きな原因であると考えられる。また、前述の同意命令手続を導入して、被疑事項に同意することにインセンティブを与えることも検討される必要がある。

(2)FTCの争訟手続(聴聞手続)は冒頭において、「現実的な範囲でかつ法律の要請に応じて、委員会の方針は迅速に(expeditiously)手続を実施することである」とし、「行政法判事及びすべての手続当事者は手続の各段階においてあらゆる努力をすべきである」と規定している(規則3.1条)。そして、被疑事項の告知後、一応の標準的な期間として被疑事項の送付時点から8か月以内に終わることを規定している(規則3.12(b)(4)条)。


12. その他の関連意見
(1)第三者の手続参加: 改正法では第三者の手続参加の規定がなくなっているが、前掲橋本解説書・前掲石井解説書が指摘するように独占禁止法の行政処分の民事法的性格を考えれば、この第三者の手続参加規定は規則で規定した方が良いと考えられる。

(2)関係行政庁の手続参加: 一部基幹産業等については事業法が存在する場合が多いが、事業法と独占禁止法との関係は独占禁止法の運用にとって十分に考慮する必要がある。現在旧法22条の適用除外規定はなくなったが、実定法秩序としての「特別法は一般法を破る」の原則は存在し、米国の独占禁止法の運用においては判例法により独占禁止法の限界(immunities)として考慮されている。したがって、規則においては関係行政庁の手続参加規定を置くことが適切であると考えられる。

(3)手続規則の統合性と明確性: 独占禁止法の執行手続は事件の端緒から始まって審査・意見聴取手続排除措置命令・課徴金納付命令に至るまで一つの原則に基づく一連の連続した手続であり、法律では第8章第2節で纏めて規定されている。規則においても審査規則の見直しが終った後は、審査手続と意見聴取手続について、法律の規定を含めて、一連の手続規則として規定することが規則の透明性確保と実務上の見地から必要性が高いと考えられる。米国のFTC規則・EUの手続告示は、違反事件の端緒から聴聞手続・行政処分・訴訟に至るまでの一連の手続を一つの規則として分かりやすく規定している。審査手続・聴聞手続は、法の執行手続であると同時に総合的弾劾手続の側面もあるので、執行手続をその端緒から終結まで一連の流れとして統合的かつ明瞭に解説し、手続関係者を含む一般人に理解しやすくすることが重要であり、それにはEUのベストプラクティス告示が参考になる。


Ⅲ 規則(案)に関連するその他の意見

1. 以上のⅡの意見は、「意見聴取手続」が「準司法的な事前聴聞手続」であるとの改正法に関する政府側の国会答弁(上記Ⅰの1(8))に基づいて、その趣旨を明確に規定するための意見である。この規則(案)は、独占禁止法執行のための基本手続であり、手続とくに証拠に基づく事実認定を行う準司法的手続は一面で当事者同士の弾劾を前提にしているので、この規則(案)は上記基本原則が明確に規定される必要があるが、規則(案)自体(原案)では政府国会答弁の趣旨は明確に規定されているとは言えない。また、政府答弁における改正法の「意見聴取手続」に関する趣旨説明の内容は改正法の規定からは明瞭に読み取ることができない。したがって、今回の改正法とこの規則(案)では、上記国会における政府側国会答弁の趣旨が明確になっているとはいえず、この規則(案)に基づいて独占禁止法の運用が行われれば、独占禁止法による排除措置命令及び課徴金納付命令はいずれも事業者に対する重大な不利益処分であるので、以下の理由により、この規則に基づく処分は、憲法31条の適正手続違反になるおそれがある。

① 前掲橋本解説書及び前掲石井解説書によればこそ独占禁止法の行政処分は民事的行政事件であり、証拠に基づいて実証的に違反事実を認定するために裁判所に準じた準司法的な事前審判制度が採られ、執行機関も独立性を持った合議機関とされ、委員長・委員は身分法相が行われ、この準司法的な聴聞手続は独占禁止法の執行にとって本質的な手続であること。

② 2005年(平成17年)の独占禁止法改正による事前審判手続を廃止して事後審判手続に変更した場合も憲法31条の観点からも疑問が残り、改正法13条に見直し規定が設けられ、その規定に基づく内閣府独占禁止法基本問題懇談会が慎重審議して、一定の時期を経て事前審査型審判方式に変更することが提案されたが、それが無視されたこと(上記Ⅰ(6))、及び2013年(平成25年)改正法案の基礎になった2010年(平成22年)の改正法案については、審判廃止等の重要事項を内容にしているにも拘らず、第三者機関の審議を経ずに作成されたことは、法の基盤的な制度変更の立法過程の問題としてとして問題を残し、上記①に関連した問題であること。

③ 国際的にみて独占禁止法が最も整備され強力に運用されている米国では、独占禁止法の執行手続について当初から裁判手続又は準司法的な事前聴聞手続を採り、審査官資料の全面的開示など相手方保護措置を採用し、最近の新しい複雑な経済状態に下では実態に即して独占禁止法の執行において手続当事者間の「対話」による協調的な執行手続を採用して、執行手続の公正性と透明性を促進する措置を採用していること。
また、米国と同様に国際的にみて強力に独占禁止法を運用しているEUにおいて も当初から手続上の基本原則として事前聴聞手続を採用し、10年以上前から審査 官資料の開示など各種の相手方事業者保護措置を導入し、2011年には米国における 「対話」中心の協調的な手続を導入して、手続の公正性と透明性の向上に努めてい  ること。
EUの2011年の「ベストプラクティス告示」の内容は、米国FTCの執行手  続規則と同内容のものとなり、両者の国際貿易における重要性から見れば、以上のことにより独占禁止法の執行手続の世界標準が形成されたとみられ、現在の経済のグローバル化の進展を見れば、この国際標準を尊重する必要があること。現在のグローバル経済の進展の状況の下では、内外の関係事業者の保護を共通に行う必要性、及び主要国の独占禁止法執行機関の間の国際的な協力を推進する必要性から、独占禁止法の執行手続の調和は重要な課題である。


2. 規則(案)に国会答弁の趣旨が明確に導入された場合には、改正法の規定はその成立過程のためにこの点で不明確であり、法律と規則の不整合が適正な規則の運用を阻害するおそれがある。これの対応策としては、規則制定の際に規則で明確にした手続原則に従って法律改正の方向性を明らかにし、別途第三者機関の審議を経て改正を行う旨の考えを公表することが一案として考えられる。意見聴取手続の基本原則について、規則と法律の間に不整合が残れば、それは適正な規則に基づく法の執行を阻害することは明らかである。手続規則は手続の基本原則が関係法令で統一されて明確であり、それが一連の手続の流れにおいて疑問の余地なく一般にわかりやすくすることが重要だからである。


                                     以上

 

 

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